阪神・市民放射能測定所

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土壌汚染の実態(まとめ)と測定所の考え

 汚染土壌測定について、いくつかのご意見をいただきました。主に、高線量と思われる土壌を測定することで、関西の土壌や測定所を汚染することはやめるべきだという意見です。ご意見も受け止めながら、この間の測定結果のまとめと、測定所としての考え。そして今後の測定について掲載します。

土壌汚染測定結果のまとめ
 福島原発事故による土壌汚染の実態は、文科省が全国のセシウム137,134の沈着量マップを公表していますが、これは、ヘリコプター等による空間線量測定値からベクレル/m2を推定したものと言われています。
 土壌の汚染状況は農水省が畑や水田の濃度を測定しているようですが、住宅地等のものは、あまり公開されていないように思います。
地表面での汚染が4万ベクレル/m2を超える場所は、放射能管理区域として、人の立ち入りが大幅に制限される場所になります。この区域では、水を飲むことさえ禁止されています。
 しかし、文科省の汚染マップでさえこの4万ベクレルを超えている地域に、多くの人たちが現在も住み続けている。住み続けさせられています。私たちは、避難されてきた皆さんのお話を伺ったり、実際に福島現地を訪問し、マスクもなしに日常生活している子どもたちを見て、いたたまれない思いと住民を命の危険にさらし続けるとも思われる施策を進める国や行政への強い怒りを感じてきました。
 避難されてきた皆さんからは、夫や親族が暮らす場所がどれほど汚染されているのか知っておきたいという声や避難場所とされている比較的低線量と言われている地域が本当に低線量なのか知りたいなどの声もありました。
 何よりそこで暮らす人たちがいるという現実を受け止め、共に向き合っていかなければならないという思いも強く、測定を行ってきました。
 日本政府や東電は、汚染を隠し、放射能レベルは安全であるという施策をとっており、原発事故を過去のものにしようとしています。しかし、私たちは真実を知っていくことで、それがまったくの嘘であり、汚染地で生活する人々を見殺しにしていく施策であることを明らかにしなければならないと考えています。

 測定は、高線量と思われる土壌は、入手量は最小限の約100グラムによる測定を行いました。また、取扱最大限注意で、充填作業は、子どもたちが生活する場所を避け、ポリ袋の中で行い、他に出ないよう細心の注意をはらいました。測定後の土壌は依頼者に速やかにお返しするか、お返しするまでの間、測定所からは持ち帰り、別の場所で厳重に保管するようにしてきました。また、作業も年配のメンバーで対応するように気を使いました。
結果は、下記のとおりで、汚染の厳しい現実をあらためて痛感することになりました。一方、関西の土壌測定では、わたくしどもの測定器ではセシウムの汚染は、キャッチできないほど低濃度です。

測定結果
 まず、4万ベクレル/m2が、どれくらいの汚染になるのかということです。
 土壌が地表5cmまで汚染されているとしたら、土壌汚染は、625ベクレル/kg(土壌の比重1.3)となり、地表1cmまでに90%が汚染されているとしたら2812ベクレル/kgの汚染になります。
 なお、環境省の市民向けの除染ハンドブックでは、家の庭等の除染は、地表から1cmの土を取り除くとされています。


福島県
福島県の土壌の測定結果は、除染済みの小学校を除くと、1423~52300ベクレル/kgでした。事故から2年半以上たった今でも放射能管理区域に匹敵する高線量地域が多く、子どもたちが遊ぶ公園で放射能管理区域をはるかに超える場所が放置されている現実を知ることになりました。
福島県は、昨年12月で新たな避難への助成を打ち切り、帰還を進めています。
測定結果1

宮城県
 比較的低線量と言われている宮城県の仙台市中心に測定した結果です。
 155~675ベクレル/kgという結果でした。地表5cmまで汚染されていれば、放射能管理区域に相当するような汚染地域がありました。
測定結果2

関東圏
 関東圏の土壌は、つくば市や松戸市については、ホットスポットと言われる場所なので、高線量になりました。東京都内については、1300万人の人々が生活している場所ですが、事故前のクリアランスレベル(低レベル放射性廃棄物の管理基準)の100ベクレル/kgをほとんどの地域で越えてしまうような状況でした。
測定結果3

関西の土壌
 関西(宝塚市内)の土壌と東京都杉並区の土壌を比較してみました。東京都の土壌には、セシウムのピークがはっきりと確認できますが、関西の土壌ではピークは確認できません。シンチレーションでは、チャッチできないほど関西の土壌は汚染されていません。
測定結果4

今後の汚染土壌の測定について
 今回、土壌測定結果をブログにアップした結果、明らかに高線量と思われる土壌を持ち込んで関西を汚染させないでほしい。測定所を汚染場所にしないでほしい。などの意見が寄せられました。
 阪神・市民放射能測定所は、放課後児童の受け入れを行っているつむぎの家を間借りしていることもあり、当初から子どもたちと共存することを前提に、子どもたちが出入りする時間帯は、開所も測定もしないようにしてきました。特に土壌測定には気を使って行ってきました。(前掲)
 スタッフで相談し、指摘のあった点について受け止め、明らかに高線量と思われる土壌検体の依頼はお断りすることにしました。しかし、食品の汚染は、汚染土壌から移行することもあり、関東圏以西の土壌の汚染がわかれば、その地域の食材の汚染の可能性を推測することもできるかもしれません。また、地域で暮らす生産者や消費者で土壌汚染度を知りたいと思う方も存在すると思っています。
原発事故前の放射性廃棄物のクリアランスがセシウムについて100ベクレル/kgであったことや堆肥等の肥料の規制値が400ベクレル/kgであることなどを考慮して、100ベクレルを大きく超えないと思われる土壌の測定依頼については、今後も対応していきたいと考えています。

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[ 2013年11月26日 17:20 ] 土壌・堆肥等の測定 | TB(0) | CM(2)
先月はお世話になりました
色々とご意見あると思いますが、このようなデータを取りながら真実を告知する事は大切な事だと考えます。

ご存知かもしれませんが
「たけのこ幼稚園*放射線測定室」のブログ
http://ameblo.jp/takenoko-kids/
このような場所もあるようなので、意見交換して交流されてみてはどうでしょうか?
[ 2013/11/30 06:59 ] [ 編集 ]
詳細な解説をありがとうございます。静岡県以西など、無料のない範囲で、ぜひ土壌汚染の計測を継続してください。理由はつぎの通りです。

(1)宅地の土壌汚染
田畑の土壌は15cm深さ(農水省)、宅地などの土壌は5cm深さ(文科省)のはずです。しかし、福島県や市町村は宅地の土壌を分析しません。田畑の汚染だけを公表して、宅地の汚染であるかのように見せかけています。

(2)農地の土壌汚染
仮に農作物の放射能検査をしない場合や検査漏れがあるとき、土壌汚染と農作物汚染に相関関係があると考えるでしょう。農作物の全数検査は実質的に困難なわけですから、土壌汚染を基に農作物汚染を推定するべきです。なお、山菜類の土壌は耕起していないので宅地並みかそれ以上の汚染だと考えられます。

(3)湖沼などの底土汚染
上澄みが飲料水の基準値以下だとしても、河川や湖沼の底土は数万ベクレルもの汚染があります。土ばかりではなく、腐葉土も汚染の原因です。そろそろ数万ベクレルの針葉樹が落葉して、そこを水が流れ汚染されます。

(4)事故前の土壌汚染
原発事故前年の2010年の土壌データがあります。事故前の土壌は、現在の食品基準値100ベクレルに程遠い汚染で、食べることもできたみたいです。ですから、これらの土壌での農作物は安心して食べれたわけです。

[地点]・[0~5cm]-[5~20cm](Bq/kg)、抜粋です。
青森青森市 4.6-5.9
岩手滝沢村 39-6.6
宮城大崎市 3.3-1.4
秋田秋田市 23-22
山形山形市 16-3.1
福島福島市 22-21
茨城東海村 53-26
栃木日光市 24-14
群馬前橋市 1.6-0.61
千葉市原市 0.95-1.0
東京新宿区 2.5-2.3
神奈川横須賀市 3.4-4.0新潟柏崎市 5.8-7.8
福井福井市 2.6-1.6
長野長野市 66-9.2
静岡富士宮市 12-9.2
愛知田原市 1.6-1.0
京都京都市 2.3-1.3
大阪大阪市 1.2-2.9
兵庫加西市 0.80-0.74
島根大田市 15-7.4
広島広島市 2.7-3.0
徳島上板町 2.1-1.6
福岡福岡市 2.5-1.2
沖縄那覇市 2.2-2.9
[ 2013/12/02 22:29 ] [ 編集 ]
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